「シュッツってどんなひと?」第4回【最終回】

【最終回】BCJ ハインリヒ・シュッツ 公演前 特別企画

「シュッツってどんなひと?」

お話:佐藤望先生(慶應義塾大学教授)

 

第4回【最終回】 シュッツの音楽の楽しみ方

 

バッハ・コレギウム・ジャパンの11月定期公演「主に感謝せよ、その慈しみはとこしえに〜ダビデ詩編(抄)〜」公演前特別インタビュー「シュッツってどんな人?」。最終回となる今回は慶應義塾大学の佐藤望先生に本公演で演奏されるシュッツ音楽の楽しみ方についてお話を伺いました。

 

―― 今回の公演で演奏するシュッツの音楽にはどんな魅力があるでしょうか。

佐藤 《ダビデ詩編集》は前回もお話したとおり、1617年、ドレスデンで行われたルターの宗教改革百年祭に合わせて書かれたもので、非常に大規模な編成を必要とする作品です。8声、12声、16声といった華麗な様式の音楽は、イタリア留学時代の恩師であるジョバンニ・ガブリエリの影響も見られます。

時の宮廷説教師ホーエは「高らかなラッパの響き、轟くティンパニーの音、その他の管弦と、華やかな合唱は、宮廷で、教会で、学校で祝賀の雰囲気を彩った。そして、そこでは数多くの砲弾が放たれた」と語っています。また記録によれば祝典礼拝での演奏参加者は、楽器奏者11人、歌手11人、オルガン奏者3人、リュート奏者4人、テオルボ奏者1人、少年オルガニスト3人、ディスカント歌手3人、彼らが交代でその他に、オルガン2台、レガール2台、チェンバロ3台、トランペット18本、ティンパニー2台であったとされており、当時の演奏がいかに壮麗で、華やかなものであったかが伝わってきます。

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佐藤望先生

 

―― 一方、《シンフォニア・サクラ集》に関してはいかがでしょうか。

佐藤 《シンフォニア・サクラ集》第2巻は、三十年戦争時代にドレスデンを離れデンマークへと赴いたシュッツが、2回目に訪れたころの作品が収められています。。”シンフォニア”という大規模な音楽を思わせる表題が付いていますが、その内容は1,2声のソロ声部とヴァイオリンというシンプルな形式です。しかしそのシンプルな音の織りなす様相は、勇壮で荘厳なシンフォニーにも勝るとも劣らない華やかさと豊かさを持っています。

―― 今回の公演に期待する点はどんなところでしょう。

佐藤 そうですね。当時の演奏習慣ではどの声部に声を配置するか、弦楽器、管楽器をどう配置するか、また、それらをどのように重ねるかは、いくつかの原則に基づけば現場の判断に任されていていました。

現代の演奏において演奏者たちがそれをどのような規模で、どのような選択をするのか。特に《ダビデ詩編集》では声部数が多いだけに、組み合わせの可能性も無限です。バッハ・コレギウム・ジャパンの皆さんがどのようにシュッツの音楽世界を表現するのか非常に楽しみです。合唱はもちろん、楽器が声の声部と折り重なって一緒に歌うということもこの時代の音楽の魅力です。楽器の歌唱性にも注目したいですね。また、シュッツと同じ時代に活躍したザムエル・シャイトの曲も演奏されるということで、こちらも楽しみにしています。

欧州でこそシュッツはメジャーな存在ですが、日本においてシュッツに関する公演はバッハに比べるとまだまだ少ないと思います。今回の公演を機に、シュッツなど古い音楽への興味を持っていただけたら嬉しいですね。

―― 今回は素敵なお話をありがとうございました。

<取材・文/石山 真紀>

第1回はこちらから https://bachcollegiumjapan.org/110-interview-vol1/

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<バッハ・コレギウム・ジャパン 定期公演>
主に感謝せよ、その慈しみはとこしえに ~ダビデ詩編(抄)

スヴェーリンク
詩編36編、詩編116編
ハインリヒ・シュッツ
ダビデ詩編歌集 Op. 2より
第21番「涙をもって種を撒くものは」SWV42(詩編第126編)
第24番「主に感謝せよ、その慈しみはとこしえに」SWV45(詩編第136編)
第26番「主に向かって、喜ばしき声をあげよ」SWV47 他
シンフォニエ・サクレ 第2集 Op.10より
「神よ、立ち上がって、その敵を散らし」SWV356(詩編68編)
「主に向かって新しき歌を歌え」SWV342(詩編96編)
ザムエル・シャイト
ベルギーの歌によるカンツォン・イミタツィオ、カンツォン・ベルガマスカ 他
指揮:鈴木雅明
ソプラノ:松井亜希、藤崎美苗/アルト:青木洋也/テノール:谷口洋介/バス:渡辺祐介
ツィンク&トロンボーン:コンチェルト・パラティーノ
合唱・管弦楽:バッハ・コレギウム・ジャパン

<第232回神戸松蔭チャペルコンサート>
2014年11月22日(土)開演3:00PM 開場2:30PM
神戸松蔭女子学院大学 チャペル

料金:
1階指定:8,000円(ペア前売: 15,000円 BCJチケットセンターのみ取扱い) 2階立見席:4,000円(限定30席)

プレイガイド:
◎バッハ・コレギウム・ジャパン チケットセンター 03-5301-0950 1階指定 11/19 15:00まで、立見席 11/20 15:00まで販売
◎イープラス http://eplus.jp/sys/T1U89P0101P006001P0050009P002002843P0030126P0006 11/19(水)18:00まで販売
◎ローソンチケット 0570-084-003 [Lコード58472]
http://l-tike.com/ 11/18(火)23:59まで販売

<第110回東京定期演奏会>
2014年11月24日(月・休)開演3:00PM 開場2:30PM
東京オペラシティコンサートホール:タケミツメモリアル

料金:
S:8,000円(ペア前売: 15,000円 BCJチケットセンターのみ取扱い) A:6,500円 B:5,000円

プレイガイド:
◎バッハ・コレギウム・ジャパン チケットセンター 03-5301-0950 11/21 15:00まで販売
◎東京オペラシティーチケットセンター 03-5353-9999 11/19 18:00まで販売
◎チケットぴあ 0570-02-9999 [Pコード230-601]
http://ticket.pia.jp/pia/event.do?eventCd=1417402 11/19(水) 23:59まで販売
◎イープラス
http://eplus.jp/sys/T1U89P0101P006001P0050009P002002843P0030129P0006 11/19(水)18:00 まで販売
◎ローソンチケット 0570-084-003 [Lコード35916] 11/18(火)23:59まで販売
http://l-tike.com/
◎ヴォ―トル・チケットセンター 03-5355-1280

「シュッツってどんなひと?」第3回

BCJ ハインリヒ・シュッツ 公演前 特別企画

「シュッツってどんなひと?」

お話:佐藤望先生(慶應義塾大学教授)

 

〜第3回 バッハとの共通点~音楽の高みをめざして~

バッハ・コレギウム・ジャパンの11月定期公演「主に感謝せよ、その慈しみはとこしえに〜ダビデ詩編(抄)〜」公演前特別インタビュー「シュッツってどんな人?」。慶應義塾大学の佐藤望先生に4回にわたってお話を伺います。

第3回となる今回はシュッツとバッハ、異なる時代に生まれた二人の音楽家の相違点を見ていきます。

 

 

―― シュッツとバッハ、同じドイツ出身の音楽家ですが二人の音楽に共通点があるとすればそれはどんなところでしょうか。

佐藤 そうですね、二人の音楽の共通点を探し出す前に、まずは二人の生きた時代の信仰に対する感覚の違いを見てみましょう。

シュッツの時代には、宗教に対し個人的な感覚を持つということがあまり一般的ではありませんでした。宗教は個人的なものではなく、人は領主の信仰に従うのが当然でした。ルターの宗教改革後、特に1555年のアウグスブルクの和議以降は「宗教体制化( Konfessionalisierung)」の時代といわれています。国家と教会の結びつきが強く、人々の生活様式もまた芸術もは宗教的な教条を基盤に形成されていました。

前回お話したように「ダビデ詩編集」は1617年、ドレスデンで行われたルターの宗教改革百年祭に合わせて書かれたものですが、この行事にはハプスブルク家の神聖ローマ皇帝も訪れており、まさしく国の威信をかけた祝賀でした。ドレスデンのザクセン選帝侯からしてみれば皇帝への忠義の表明に加え、ザクセンがハプスブルクにも劣らない国力を持つということを誇示する絶好の機会でもあったのです。イタリアで最新の音楽を学んだ若き楽長シュッツに寄せられた期待は、大変大きなものだったことでしょう。

とはいえシュッツが政治的な思惑を胸に音楽を創造したということはおそらくありません。あくまで与えられたタラント(神の恩寵としての才能)を神や神に権威を与えられた為政者であるザクセン選帝侯に返すというプロテスタント的信条によって、最高の音楽を紡いだのだと思います。

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佐藤望先生

 

―― これに対しバッハの時代の信仰というのはどう変化したのでしょうか。

佐藤 バッハの時代になると、信仰は個人の心の問題という考えにだんだん変わっていきます。シュッツにとっての音楽は自己を表現する道具ではなく、ひたすら神と主君に忠実に仕えるためのものでしたが、バッハの場合は神に対する自身の内面性がより音楽の中に表れているといってもいいかもしれません。バッハが親しみやすい旋律の音楽を多く描いたのに対し、シュッツが抑制の効いた音楽を多く創造していることも、音楽と内面性に関する時代の感覚の違いが影響しているのかもしれません。

 

―― 時代の違いが音楽の表現方法にもあらわれたことでしょうか。

佐藤 そうですね。もちろん2人とも両方の側面をもっていて、バッハも同時代の作曲家と比べるとシュッツに近い保守的な作曲家と言えると思います。この二人の音楽に対する根本的な感覚は非常に近いと思います。彼らにとっての音楽とは天と地、宇宙を満たすものであり、神の栄光を表すもの。また天や地の叫び、神との対話など、神の住まう宇宙を「音楽」で具現化する才能を持っていた点も共通していると思います。

特にシュッツは亡くなった人に対する意識が強く、魂が解放され神の国へ引き上げられていく、その天上の情景を表現するため、追悼の音楽に力を入れた作曲家でした。時代の違いこそありますが、共に神の世界へ近づくため優れた音楽を生み出し続けたという点では、この二人は非常に共通しているのではないでしょうか。

 

最終回はこちら

 

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神戸公演1026

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<バッハ・コレギウム・ジャパン 定期公演>
主に感謝せよ、その慈しみはとこしえに ~ダビデ詩編(抄)

ハインリヒ・シュッツ
ダビデ詩編歌集 Op. 2より
第21番「涙をもって種を撒くものは」SWV42(詩編第126編)
第24番「主に感謝せよ、その慈しみはとこしえに」SWV45(詩編第136編)
第26番「主に向かって、喜ばしき声をあげよ」SWV47 他
シンフォニエ・サクレ 第2集 Op.10より
「神よ、立ち上がって、その敵を散らし」SWV356(詩編68編)
「主に向かって新しき歌を歌え」SWV342(詩編96編)
ザムエル・シャイト
ベルギー風カンツォン
カンツォン・ベルガマスカ 他

指揮:鈴木雅明
ソプラノ:松井亜希、藤崎美苗/アルト:青木洋也/テノール:谷口洋介/
バス:渡辺祐介
コルネット&トロンボーン:コンチェルト・パラティーノ
合唱・管弦楽:バッハ・コレギウム・ジャパン

<第232回神戸松蔭チャペルコンサート>
2014年11月22日(土)開演3:00PM 開場2:30PM
神戸松蔭女子学院大学 チャペル

料金:
1階指定:8,000円(ペア前売: 15,000円 BCJチケットセンターのみ取扱い) 2階立見席:4,000円(限定30席)

プレイガイド:
◎バッハ・コレギウム・ジャパン チケットセンター 03-5301-0950
◎イープラスhttp://eplus.jp/sys/T1U89P0101P006001P0050009P002002843P0030126P0006
◎ローソンチケット 0570-084-003 [Lコード58472]
http://l-tike.com/pc/d1/AA01G04F1.do?txtEvtCd=58472&txtPerfDay=20141122&txtPerfSeq=+&venueCd=50687&srcID=AA02G08

<第110回東京定期演奏会>
2014年11月24日(月・休)開演3:00PM 開場2:30PM
東京オペラシティコンサートホール:タケミツメモリアル

料金:
S:8,000円(ペア前売: 15,000円 BCJチケットセンターのみ取扱い) A:6,500円 B:5,000円

プレイガイド:
◎バッハ・コレギウム・ジャパン チケットセンター 03-5301-0950
◎東京オペラシティーチケットセンター 03-5353-9999
◎チケットぴあ 0570-02-9999 [Pコード230-601]
http://ticket.pia.jp/pia/event.do?eventCd=1417402
◎イープラス
http://eplus.jp/sys/T1U89P0101P006001P0050009P002002843P0030129P0006
◎ローソンチケット 0570-084-003 [Lコード35916]
http://l-tike.com/pc/d1/AA01G04F1.do?txtEvtCd=35916&txtPerfDay=20141124&txtPerfSeq=+&venueCd=33913&srcID=AA02G08
◎ヴォ―トル・チケットセンター 03-5355-1280

「シュッツってどんなひと?」第2回

BCJ11月定期 ハインリヒ・シュッツ 公演前 特別企画 インタビュー連載 「シュッツってどんなひと?」第2回

お話:佐藤望先生(慶應義塾大学教授)

 

~第2回 シュッツの人となり~激動の時代を生きて~

バッハ・コレギウム・ジャパンの11月定期公演「主に感謝せよ、その慈しみはとこしえに〜ダビデ詩編(抄)〜」公演前特別インタビュー「シュッツってどんな人?」。慶應義塾大学の佐藤望先生に4回にわたってお話を伺います。

第2回となる今回はシュッツの生涯とその時代背景を知ることで、当時の環境が彼の音楽にどのような影響を与えていったのかを探っていきます。

 

―― 前回、シュッツは非常に長生きをした人だとお聞きしました。

佐藤 1585年、ドイツ中部の田舎町ケストリッツの宿屋の息子として生まれたシュッツは、幼少期をヴァイセンフェルスで過ごし、カッセルで最初の職を得ました。その後、ヴェネツィアに留学し、当時最高の教会音楽家・教師として名を馳せたジョヴァンニ・ガブリエリに学びます。カトリックとプロテスタントの宗派の違いはあったものの、死の床でガブリエリはシュッツに形見として指輪を託したと伝えられており、まさしく最愛の弟子であったといえるでしょう。

 

―― ヴェネツィアではどんな音楽を学んだのでしょうか。

佐藤 シュッツが経験したのは最新の華麗なコンチェルト様式と、斬新な劇場様式でした。劇場様式は言葉の表象と音楽の表象を一致させ、絵画で描くかのように、そして語りかけるように表現する新しい様式です。一方、コンチェルト様式はさまざまな旋律や音響、楽器や歌を、時に交替させ、合わせ、競わせ、協調させる華やかな様式でした。 ガブリエリの死後、ドイツへ戻ったシュッツは1617年、ドレスデンの宮廷楽長に就任します。この年はルターの宗教改革百年祭が行われ、ハプスブルク家の神聖ローマ皇帝もドレスデンを訪れました。今回の公演で行われる「ダビデ詩編集」はこの歴史的行事に合わせたものだと考えられます。イタリアの最新音楽を取り入れたこの楽曲は、恩師ガブリエリから最高の教育を受けた作曲家としての誇りと、ザクセン選帝侯国の栄華を彩るという2つの顔を持つのです。

 

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佐藤望先生

 

―― シュッツの生きた時代は大きな戦争も起きた激動の時代でもあります。

佐藤 そうですね。「ダビデ詩編集」の発表前後は純粋な信仰運動の広がりと、為政者たちの政治的駆け引きとが絶妙なバランスを取っていましたが、1618年、三十年戦争が勃発しました。この戦争の時代には約三分の一ほどの人口減少があったとされています。また戦争以外でも伝染病や貧困による犯罪などが多発。庶民の運命は支配者たちの手に委ねられ、人を幸せにするはずの宗教も闘争と憎悪の火種となり、人々の心は荒廃していました。 戦争に乗じてドレスデンの音楽活動は一挙に凋落していきます。シュッツはデンマーク王子クリスティアンV世の結婚式用音楽の依頼により1633年にコペンハーゲンへ赴き、1635年まで滞在します。 デンマーク王室との関係はその後も続き、1642年から1644年にかけて再び、シュッツはかの地を訪れました。この頃のデンマークは度重なる敗戦で疲弊しきっており、豪華な音楽を演奏する音楽家も費用も持ちあわせていませんでした。シュッツはこの間、デンマーク王子との友情を温め、数人の楽師で演奏できる、しかし最高の質の音楽を書く力を磨いていきました。公演プログラムの《シンフォニア・サクラ集》第2巻は、その間に仕上げられた作品集のひとつで、王位を継ぐことなく早逝した王子へ死後に献呈されています。

 

―― 佐藤先生はシュッツをどのような人であったと思われますか?

佐藤 彼は音楽に対し非常に純粋な人だったのでしょう。かといってシュッツにとって音楽とは単に自己を表現する道具ではなく、神と主君に忠実に仕えるためのものでした。神から与えられた非凡な才能を最大限に発揮することで、最高の作品を書き、最高のパフォーマンスをし続けようとする不撓不屈の作曲家であったと私は考えています。

<取材・文/石山 真紀>

3回目はこちら 

 

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bcj-110

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<バッハ・コレギウム・ジャパン 定期公演>
主に感謝せよ、その慈しみはとこしえに ~ダビデ詩編(抄)

ハインリヒ・シュッツ
ダビデ詩編歌集 Op. 2より
第21番「涙をもって種を撒くものは」SWV42(詩編第126編)
第24番「主に感謝せよ、その慈しみはとこしえに」SWV45(詩編第136編)
第26番「主に向かって、喜ばしき声をあげよ」SWV47 他
シンフォニエ・サクレ 第2集 Op.10より
「神よ、立ち上がって、その敵を散らし」SWV356(詩編68編)
「主に向かって新しき歌を歌え」SWV342(詩編96編)
ザムエル・シャイト
ベルギー風カンツォン
カンツォン・ベルガマスカ 他

指揮:鈴木雅明
ソプラノ:松井亜希、藤崎美苗/アルト:青木洋也/テノール:谷口洋介/
バス:渡辺祐介
ツィンク&トロンボーン:コンチェルト・パラティーノ
合唱・管弦楽:バッハ・コレギウム・ジャパン

<第232回神戸松蔭チャペルコンサート>
2014年11月22日(土)開演3:00PM 開場2:30PM
神戸松蔭女子学院大学 チャペル

料金:
1階指定:8,000円(ペア前売: 15,000円 BCJチケットセンターのみ取扱い) 2階立見席:4,000円(限定30席)

プレイガイド:
◎バッハ・コレギウム・ジャパン チケットセンター 03-5301-0950
◎イープラスhttp://eplus.jp/sys/T1U89P0101P006001P0050009P002002843P0030126P0006
◎ローソンチケット 0570-084-003 [Lコード58472]
http://l-tike.com/pc/d1/AA01G04F1.do?txtEvtCd=58472&txtPerfDay=20141122&txtPerfSeq=+&venueCd=50687&srcID=AA02G08

<第110回東京定期演奏会>
2014年11月24日(月・休)開演3:00PM 開場2:30PM
東京オペラシティコンサートホール:タケミツメモリアル

料金:
S:8,000円(ペア前売: 15,000円 BCJチケットセンターのみ取扱い) A:6,500円 B:5,000円

プレイガイド:
◎バッハ・コレギウム・ジャパン チケットセンター 03-5301-0950
◎東京オペラシティーチケットセンター 03-5353-9999
◎チケットぴあ 0570-02-9999 [Pコード230-601]
http://ticket.pia.jp/pia/event.do?eventCd=1417402
◎イープラス
http://eplus.jp/sys/T1U89P0101P006001P0050009P002002843P0030129P0006
◎ローソンチケット 0570-084-003 [Lコード35916]
http://l-tike.com/pc/d1/AA01G04F1.do?txtEvtCd=35916&txtPerfDay=20141124&txtPerfSeq=+&venueCd=33913&srcID=AA02G08
◎ヴォ―トル・チケットセンター 03-5355-1280

「シュッツってどんなひと?」第1回

BCJ11月定期 ハインリヒ・シュッツ 公演前 特別企画 インタビュー連載
「シュッツってどんなひと?」第1回
お話:佐藤望先生(慶應義塾大学教授)

~第1回 シュッツの時代に耳を傾けて~
バッハ・コレギウム・ジャパンの11月定期公演は「主に感謝せよ、その慈しみはとこしえに〜ダビデ詩編(抄)〜」と題し、ドイツ音楽の父とも呼ばれる、ハインリヒ・シュッツを取り上げます。とはいえバッハに比べ、私たちにとってなじみの薄い作曲家。彼はどんな人生を歩み、どんな音楽を描いていったのでしょうか。慶応義塾大学の佐藤望先生に4回にわたってお話を伺います。

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ハインリヒ・シュッツ (1585 〜 1672)

 

―― シュッツはどんな時代に生まれた作曲家なのでしょうか。
佐藤 シュッツは1585年、中部ドイツの田舎町ケストリッツに生まれました。バッハが1685年生まれですから、バッハからちょうど100年前の人ということになります。

―― バッハより100年も前というと、非常に昔のように感じますね。
佐藤 そうですね。同じバロックでもモンテヴェルディは聞いたことがあっても、シュッツは知らない、という方も多いのではないかと思います。
彼は非常に長生きをした人でもあり、初期はイタリア留学の影響を受けた華やかな作品、間に大きな戦争を経験し、後期では今までにないタイプの作品も書いています。その時代によってバラエティに富んだ音楽を書いているのですが、初めて聞いた方には少し単調に感じる方もおられるようですね。

―― それはどういった理由からでしょう?
佐藤 これは私たちの耳に原因があります。ひとつめは音楽体験の変化です。もともとシュッツを含め、昔は聴き手は演奏者と直接向かい合って聴くしか音楽を聴く方法はありませんでした。それが時代は変わりレコードやCD、最近ではインターネット上の動画サイトや、スマートフォンなどからイヤホンで聞くということが主流になってきています。シュッツは当然、生で聞くことを前提にして音楽を書いているわけですから、イヤホンで聞いたのでは彼の音楽がもつ空間性や語りといった本来の要素があまり伝わらない。それが単調に感じることにつながっているかもしれません。
現代は音楽のコピーをも「音楽」と呼んでいるわけですが、録音はやはり録音でしかありません。シュッツの時代の音楽のあり方をもう一度、感じていただきたいです。
もうひとつは現代の私たちが様々な音楽を知ってしまっているということです。私たちはひとくくりにしてクラシック音楽と呼んでいますが、シュッツとバッハですら100年離れているわけです。シュッツの時代にはない後世の音楽と比べるのではなく、その時代に思いをはせながら聞いて頂けるとうれしいのですが。

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佐藤望先生

 

―― 聴き手がシュッツの時代の音楽のあり方を理解することがシュッツの音楽の素晴らしさを理解することにも繋がるのですね。
佐藤 そうです。バッハ・コレギウム・ジャパンの演奏会にいらっしゃる皆様はバッハを良くご存知だとも思いますが、最初は器楽曲から入りそこからカンタータなど声楽曲に興味をお持ちになった方も多いと思います。声楽曲しか残していないシュッツの音楽はわかりにくいという印象があるかもしれません。しかし、シュッツの音楽はやはりすごいんです。
シュッツの音楽の素晴らしさを言葉で言い表すというのは非常に難しいのですが、私自身、シュッツはバッハと同じくらい優れた感性と知性を持った作曲家であると考えています。今回の公演を通じ、雑音によって現代人の私たちが聞こえなくなってしまったものを取り戻し、そして魂を揺さぶる真の音に耳を傾けて頂けたらと思います。

<取材・文/石山 真紀>

2回目はこちら

 

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<バッハ・コレギウム・ジャパン 定期公演>
主に感謝せよ、その慈しみはとこしえに ~ダビデ詩編(抄)

ハインリヒ・シュッツ
ダビデ詩編歌集 Op. 2より
第21番「涙をもって種を撒くものは」SWV42(詩編第126編)
第24番「主に感謝せよ、その慈しみはとこしえに」SWV45(詩編第136編)
第26番「主に向かって、喜ばしき声をあげよ」SWV47 他
シンフォニエ・サクレ 第2集 Op.10より
「神よ、立ち上がって、その敵を散らし」SWV356(詩編68編)
「主に向かって新しき歌を歌え」SWV342(詩編96編)
ザムエル・シャイト
ベルギー風カンツォン
カンツォン・ベルガマスカ 他

指揮:鈴木雅明
ソプラノ:松井亜希、藤崎美苗/アルト:青木洋也/テノール:谷口洋介/
バス:渡辺祐介
ツィンク&トロンボーン:コンチェルト・パラティーノ
合唱・管弦楽:バッハ・コレギウム・ジャパン

<第232回神戸松蔭チャペルコンサート>
2014年11月22日(土)開演3:00PM 開場2:30PM
神戸松蔭女子学院大学 チャペル

料金:
1階指定:8,000円(ペア前売: 15,000円 BCJチケットセンターのみ取扱い) 2階立見席:4,000円(限定30席)

プレイガイド:
◎バッハ・コレギウム・ジャパン チケットセンター 03-5301-0950
◎イープラスhttp://eplus.jp/sys/T1U89P0101P006001P0050009P002002843P0030126P0006
◎ローソンチケット 0570-084-003 [Lコード58472]
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<第110回東京定期演奏会>
2014年11月24日(月・休)開演3:00PM 開場2:30PM
東京オペラシティコンサートホール:タケミツメモリアル

料金:
S:8,000円(ペア前売: 15,000円 BCJチケットセンターのみ取扱い) A:6,500円 B:5,000円

プレイガイド:
◎バッハ・コレギウム・ジャパン チケットセンター 03-5301-0950
◎東京オペラシティーチケットセンター 03-5353-9999
◎チケットぴあ 0570-02-9999 [Pコード230-601]
http://ticket.pia.jp/pia/event.do?eventCd=1417402
◎イープラス
http://eplus.jp/sys/T1U89P0101P006001P0050009P002002843P0030129P0006
◎ローソンチケット 0570-084-003 [Lコード35916]
http://l-tike.com/pc/d1/AA01G04F1.do?txtEvtCd=35916&txtPerfDay=20141124&txtPerfSeq=+&venueCd=33913&srcID=AA02G08
◎ヴォ―トル・チケットセンター 03-5355-1280