キャロリン・サンプソン

バーミンガム大学で音楽を学び、バロック演奏でアーノルド・ゴールズバラ賞受賞。完璧なコロラットゥーラ技術と豊かに伸びる輝かしい声でデビュー以後瞬く間に聴衆を魅了し、今やバロック・古典派のあらゆる一流指揮者及びオーケストラ、また世界各地の音楽祭でひっぱりだこの存在となっている。
オペラでは、イングリッシュ・ナショナル・オペラでの《セメレ》のタイトルロール、《魔笛》のパミーナ、パリ・オペラ座での《ピーター・グライムズ》第2の姪など、常に重要な役を演じている。またコンサートの分野では、キングス・コンソート、シックスティーン、タリス・スコラーズと定期的に共演。BBCプロムス、オールドバラ・フェスティヴァルにも出演し、いずれも好評を博している。またソリストとしてすでに15タイトルのCDを録音し常に高い評価を得ている。

ハナ・ブラシコヴァ

プラハ生まれ。ジリ・コトーに学び2002年にプラハ音楽院を卒業。ポピー・ホールデン、ペーター・コーイ、モニカ・マウフ、ハワード・クルックに師事。バロック、ルネサンス、中世音楽を専門とし、その声は「身震いするような水晶の透明さ」「輝かしくもニュアンス溢れる響き」(インターナショナル・レコード・レビュー)と評される。BCJ、コレギウム・ヴォカーレ・ゲント、セッテ・ヴォーチ、グリ・アンジェリ・ジュネーヴ、ラ・フェニーチェ、ターフェルムジークなど国際的なアンサンブルと共演するほか、プラハの春、ユトレヒト音楽祭、レゾナンツェン・ウィーン等の国際フェスティヴァルに出演。ゴシック・ハープも得意としている。

ジョアン・ラン

ロイヤル・カレッジ・オブ・ミュージックに学び、タゴール・ゴールドメダルを得て卒業。クリストファーズ指揮《ポッペアの戴冠》でイングリッシュ・ナショナル・オペラにデビューし、ガーディナー指揮《真夏の夜の夢》、ピケットとの《オルフェオ》《ダイドーとエネアス》等の舞台で活躍。コンサート歌手としてモンテヴェルディからマーラーまで幅広いレパートリーを歌い、今年のBCJパース公演ではソロカンタータの歌唱が「目も眩むほどの高み」「鈴のように澄明に響き渡る、つややかに輝く声」と絶賛された。「バッハ:カンタータ巡礼」、「ハイドン:ミサ曲集」など録音も多い。最新CDとしてBCJとの《狩のカンタータ》(世俗カンタータ集第2巻)をリリース。

マリアンネ・ベアーテ・キーラント

ノルウェー国立音楽アカデミーで研鑽を積み、2001/02年のシーズンはハノーヴァー国立歌劇場のアンサンブル・メンバーとして活躍した。その後、またたく間にスカンジナビアでの主要な歌手の一人として名声を築き、ヨーロッパの数々のオーケストラや音楽祭に定期的に出演するようになった。P.ヘレヴェッヘはじめ、H.リリンク、M.ホーネック、J.リフキンなど、著名な指揮者との共演も多い。今シーズンは、R.アレッサンドリーニとのモンテヴェルディ《オルフェオ》(ノルウェー国立オペラ)、インマゼール指揮ハイドン「テ・デウム&ミサ・チェレンシス」、ブリュッヘン指揮《第九》、C.シュペリング指揮ヘンデル《テオドーラ》、D.ロイス指揮《メサイア》、またビオンディ指揮ファーゴのオラトリオ《海中のファラオ》等に出演している。

櫻田亮

声楽を平野忠彦、G.ファッブリーニ、W.マッテウッツィ、G.バンディテッリの各氏に学ぶ。第27回イタリア声楽コンコルソ・シエナ部門大賞、2002年ブルージュ国際古楽コンクール第2位(声楽最高位)受賞。アカデミア・ビザンティーナ、ヴェニス・バロック・オーケストラ、ル・コンセール・ド・ナシオンなど一流の古楽アンサンブル、また国内外のモダン・オーケストラと多数共演する他、クレモナ音楽祭《ウリッセの祖国への帰還》、エジンバラ音楽祭《オルフェオ》など主要なオペラ舞台でも活躍している。日本イタリア古楽協会運営委員長としてイタリア・バロック音楽の普及に務める。二期会会員。2013年より東京芸術大学准教授。

ロビン・ブレイズ

オックスフォード・モードリン・カレッジ、ロイヤル・カレッジ・オブ・ミュージックに学ぶ。“クリスタル・クリア”と言われる声と完璧なコロラトゥーラ、テクストを魅惑的に響かせるテクニックで多くの聴衆を虜にしており、パーセル、バッハ、ヘンデル歌唱の第一人者として活躍。オペラでもコヴェント・ガーデン、イングリッシュ・ナショナル・オペラ、グラインドボーン・フェスティヴァル、ゲッティンゲン・ヘンデル音楽祭等にしばしば登場している。今シーズンは、コレギウム・ヴォカーレとの<マタイ受難曲>、フロリレギウムとのヨーロッパ・ツアー、BBCウェールズ交響楽団<ミサ曲ロ短調>等に出演。ロイヤル・カレッジ・オブ・ミュージック声楽科教授。

アンドリュー・ケネディ

ケンブリッジ・キングスカレッジ及びロンドン王立音楽大学で学び、またコヴェント・ガーデンのロイヤル・オペラ・ハウスの若手育成プログラムでは、主役を数多く演じた。ボルレッティ・ブイトーニ財団賞を始め、数々の賞を受賞。
スカラ座、リヨン・オペラ座、イングリッシュ・ナショナル・オペラ、コヴェント・ガーデンなど世界第一級のオペラ・ハウスに出演、《皇帝ティートの慈悲》、《魔笛》、《愛の妙薬》その他多くのオペラで主役を演じる。また、コリン・デイヴィス指揮・バッハ《マタイ受難曲》、ノリントン指揮・ハイドン《四季》、ガーディナー指揮《天地創造》、ネルソンス指揮・モーツァルト《レクイエム》などに出演。同時に、ヨーロッパ各地で数多くのリサイタルを開催、とりわけロンドン・ウィグモア・ホールで公演を重ねる。
6枚のソロアルバムのほか、コリン・ディヴィスやハーディング指揮及びロンドン交響楽団と共演したモーツァルト《レクイエム》を始め、CDが多数リリースされている。

ゲルト・テュルク

リンブルク大聖堂少年合唱団で最初の音楽教育を受けた後、フランクフルト音楽大学でヘルムート・リリング、アーリーン・オジェー等のもと音楽教育、教会音楽、合唱指揮を学ぶ。バーゼル・スコラ・カントールムではルネ・ヤーコプス、リチャード・レヴィットにバロック歌唱法と解釈を、マスタークラスにおいてエルンスト・ヘフリガー、クルト・エクヴィルツ、N.シェトラー等に学び研鑚を積む。バロックオペラ、オラトリオ、教会音楽、声楽アンサンブルなど幅広い分野で活躍。
バッハにおけるドラマ表出と格調高い歌唱は傑出しており、現代最高のエヴァンゲリスト(福音史家)の一人として高い評価を得ている。バーゼル・スコラ・カントールム教授。 

青木洋也

ヴァイオリンを学ぶ傍ら、ボーイ・ソプラノとして東京少年少女合唱隊時代より多くの独唱を経験。東京芸術大学大学院で古楽演奏、エリザベト音楽大学で宗教音楽学を学び、在学中より定期的に渡欧して研鑽を積む。ダブリンおよびハレでの《メサイア》、ライプツィヒ・ニコライ教会での《ミサ曲ロ短調》、《クリスマス・オラトリオ》ソリストに招かれ好評を博す。国内外で活動の場を広げており、BCJでは’09年ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン音楽祭《ヨハネ受難曲》、’11年香港公演およびブレーメン音楽祭での《マタイ受難曲》独唱で喝采を浴びている。近年は指揮者としても高く評価されている。「パーセル・プロジェクト」代表。

ロデリック・ウィリアムズ

イギリスを代表するバリトンの一人。バロックから現代音楽に及ぶレパートリーをもち、知的な歌唱でオペラ、コンサート、リサイタルに幅広く活躍。モーツァルト作品でオペラ・ノースおよびスコティッシュ・オペラにしばしば出演し、イングリッシュ・ナショナル・オペラ《魔笛》のパパゲーノ役が高く評価される。ヨーロッパ各地のオーケストラと共演しBBCプロムス、チェルトナム、オールドバラなどの音楽祭に参加。D.ソイヤー、S.ビーミッシュらの新作初演でも歌っている。録音も多く、イアン・バーンサイドと録音した英国歌曲は特に注目を浴びた。作曲家としても活動し、ウィグモアホールなどで作品が初演され、BBCでライブ放送されている。